彼氏の好きなヒトになる方法
ペンギンたちは水槽から出てくると、地面をペタペタと歩く。かと思ったらまた水槽に飛び込んだりと、一匹一匹自由に動き回っていた。
お客さんは水槽前の腰くらいの高さのフェンスを挟んで、その様子を見ることができた。
「ふふ。ぺたぺた歩いてるの可愛い〜」
ほのぼのしながら様子を見ていると、やがてアナウンスが聞こえてきた。
「本日は、当水族館にお越しいただき誠に有難う御座います。まもなく2階屋上ペンギン広場にて、ペンギンショーを開催いたします……」
アナウンスが流れている間、飼育員さんたちがやってきて、道具を設置したりと続々と準備が始まっていく。
お客さんたちも集まってきて周りが騒がしくなってくると、なんだかワクワクしてきた。
「ふふふー。楽しみだねえ」
「うん」
時間になって、ヘッドマイクをつけた飼育員さんが出てきた。
「こんにちはー。今日はお集まりいただきありがとうございます。これよりペンギンショーをはじめます〜」
ぱちぱちぱち、とまばらに拍手が起きる。
男性の飼育員さんはニコニコしながら、「ありがとうございます〜」とのんびりお辞儀した。