彼氏の好きなヒトになる方法


お魚が入っているバケツを持っている彼の周りには、早くもペンギンさんが集まっている。


彼が歩くたびにペンギンたちが付いて回る様子は、とても可愛らしい。


「ひゃあ〜可愛い〜。私もペンギンにあんな風についてこられたい……」

「動きづらそう」


私がペンギンに和んでいる横で、俊くんはいたって冷静に感想を述べた。動きづらそうて。


「はーい、じゃあまずはここから飛び込みますよ〜ペンギンさん飛び込みますからね〜」


エサにつられてペンギンたちが飛び込み台に登っていく。


そのまま華麗に飛び込んでいくのかと思いきや……飛び込まない。


「あちゃ〜ちょーっと飛び込んでくれないですね〜。今日はやる気ないかな〜?まあいつもなんですけどね〜!」


周りからどっと笑いが起きた。



「あはは。やる気なーい」



お魚には興味津々なペンギンさんたち、ショーにはあんまりやる気がないらしい。でもめちゃくちゃ可愛いからオッケーである。





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