彼氏の好きなヒトになる方法
「あ、15時からセイウチのショーがある!」
「あー、あと15分くらいだね」
「行こう行こう!あとねえ、こことー、ここも見たい」
「じゃあセイウチのショー見て、そのままこの道通って、ついでにサメとかエイのコーナーも見ようか」
「いいねえ。あ、帰りにお土産屋さんも見に行きたい」
「あー、じゃあ大体バスの時間決めてから回りたいね。これ時刻表」
「おおーサッと出てきた。すごい」
「……………」
「あははは、怒んないでよー!調べといてくれてありがとう!」
私が笑うと、複雑な顔をした俊くんが「別にこのくらいすぐ出来るし」とかなんとか言ってて可愛い。私の彼氏ちょう可愛い。
「ふふ。一緒に考えるの楽しいね〜」
時刻表を見ながら何気なくそう言うと、すぐに隣から言葉が返ってこなくて、あれ?と思った。
横を見ると、ばちりと目が合う。
彼の表情は、なんだか色んな感情が混ざりあって見えた。
切なそうな、愛おしそうな、泣きそうな。
驚きとほんの少しの戸惑いを含んだ、くるしそうな瞳。