彼氏の好きなヒトになる方法
「もしかして、妬いてる?」
俊くんの綺麗な形の瞳が、ほんの少し見開かれる。
彼は目線を横にずらすと、イマイチ納得がいかないという顔をしながらも、おもむろに口を開いた。
「……妬いてるよ。どうにかしてやりたいくらい」
当たり前じゃん、とか言ってほんのり朱色に染まった顔が超絶可愛いしもう私の彼氏まじヤバイ。
私が軽く呼吸困難に陥っていると、そんなことを知らない私の彼氏は赤い顔のまま追い打ちをかけてくる。
「……佳菜が俺のこと好きでいてくれてんのは知ってるけどさ。俺と佳菜は趣味とか考え方とか全然合わないのに、同じ学校にあんなに気が合う男が2人もいたら、焦るじゃん……」
ええー……焦るの?可愛い。好き。
焦る必要なんかどこにもないし、私は俊くんしか見えてないのに。
「私は、私と違う俊くんが好きなんだよ。私のことわかってくれる人じゃなくて、一緒にいて楽しい人がいい。だから俊くんはもっと自信持ってよ」
「……それだけじゃないよ。俺、同じ学校で彼女作るのめんどくさそうだと思ってたけど、今は学校違うのすごくもどかしい。同じ学校なのが純粋に羨ましい」
いきなりハチミツのように甘い気持ちを浴びるように受け止めたおかげで、心が溶けそうだ。胸が痛い。