彼氏の好きなヒトになる方法



「えへへへ。そっか、そっかあ。私も俊くんと同じ学校がよかったなってすっごい思うよ。同じ気持ちなの嬉しい」



嬉しすぎて、表情筋が仕事しない。絶対今デレデレの顔をしている。だって私の彼氏ちょう可愛い。



俊くんはそんな私を見て、またあの胸がぎゅっと痛くなるような、くるしそうな目をした。



誰かを想って、恋焦がれるひとの表情だ。



私はやっぱりどうしていいかわからなくなって困った。こ、この表情は無意識でやってるんだよね?罪深すぎるよ……!



「え、えっと……そう!あのね、なんかお揃いもの買いたいなーって……」

「お揃い?」

「そう、なんでもいいの。せっかく来たんだし、なんか記念に残るものが欲しいなって」

「……うん。いいね」



俊くんは優しく目を細めて快諾してくれた。よかった!



その後、色々と歩き回った結果、普段使いできるボールペンを買うことにした。


シンプルな一色使いで、イルカの絵柄が入った大人っぽいボールペン。


私はボルドーで、俊くんが藍色。


学校にいる間、これが筆箱の中に入ってたら今日のこと思い出せるよね。



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