彼氏の好きなヒトになる方法



俊くんは私の頰を両手で包んで、顔を上げさせた。


至近距離に大好きな人の綺麗な顔が迫る。心臓がドキドキと大きく脈打ちはじめた。


はああかっこいいかっこいい。でも私、今心も顔もぐっちゃぐっちゃだからそんなに見ないでほしい。



狼狽える私を目の前にして、俊くんは愛おしそうに目を細め、甘い声で言った。



「……今日、楽しかった?」

「う、うん。おかげさまで……」



なんだなんだ。いつになく俊くんの表情が甘い。むやみにドギマギさせないでほしい。


俊くんって無自覚にパーソナルスペース無視してくるからな。本当に罪深い美形だ。





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