彼氏の好きなヒトになる方法
「そこでもいい?」
「うん」
アイスを持って、店内を出る。
歩いて少ししたら、割と大きな公園にたどり着く。そこで私はハッとした。
こ、ここって……私と俊くんのファーストコンタクトの場所じゃ!?
思い出して、だらだらと背中に汗が伝う。なんてこった。私の阿呆。
出会った時のことは、俊くんも気にしないでいいように言ってくれてたのに。
恐る恐る、横を見上げる。
俊くんの表情は変わっていない。私の視線に気づくと、彼は不思議そうな顔をして首をかしげた。
「何?」
「い、いや……なんでもない」
気づいてないのかな。それとも、気づいてるけど気にしてないだけ?
まあいいや、わざわざ蒸し返すことでもなかろう。
あはは…と苦笑いしながら、園内へ入っていく。
あのとき、私が座って泣いていたベンチからはそれとなく遠ざかっておいた。