彼氏の好きなヒトになる方法
「……佳菜ってさ」
「うん?」
俊くんから話しかけられて、ちょっとびっくりする。彼は、私をまっすぐに見つめていた。
「放課後は、よくこの辺で遊ぶの?」
「んー、そうだね。金欠の時はさすがにやめるけど……カフェ行って、カフェオレ一杯で一時間くらい駄弁ったり、たまにカラオケ行ったり……今日みたいにゲーセン行ったり?まあ、ゲーセンは1人で行ったりもするけど」
「ふーん……」
「俊くんは、あんまりこの辺来ないの?」
「うん……人多いの、あんまり好きじゃない」
「あー、いつも人多いもんね、ここ」
放課後の時間帯になると、特に学生が多くて騒がしくなるし。
まあ、その学生の1人なんですけどね、私も。
「佳菜は、すごいね」
突然言われて、驚いた。す、『すごい』?
彼を見るけど、やっぱり表情はあまり変わっていなかった。