彼氏の好きなヒトになる方法



「わ、私だってわかんないんだよ…『好き』とは言われてないしさ」

「でも、三谷くんはそもそも彼女が欲しくて佳菜と会ったのよ?確かに色々段階すっ飛ばしてるけど、この結果はそこまで不思議じゃないわ」



そう冷静に分析して言い放つのは、私の前の机に足を組んで、優雅に腰掛けているマナミ様である。


「そ、そうでしょうかマナミ様……」

「ええ。おめでとう、佳菜。あんなイケメンと付き合えることなんて、そうそうないわよ」

「それは、そうだけど……」

「おはよー……って、え、佳菜、告られたん?」



教室へ入って私たちに声をかけるなり、晃がぽかんとした顔で目の前に立ち止まった。


「げっ」

「『げっ』てなんだよ!つーか何!?告られたの!?昨日!?噂のイケメンに!?」

「声がデカイよ馬鹿……」


教室中に響いている。皆さんこっちを見ないで。どうかお気になさらず。





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