彼氏の好きなヒトになる方法
「告られたっていうか……『付き合って』って言われたんだよ」
「それ告られたってことじゃねえの」
「『好き』とは言われてないし」
「え、告られたの、佳菜」
晃の後ろで、また面倒臭い野郎が登校してきた。隼だ。
「だから告られたわけじゃないって!」
「え?でも付き合うことになったんでしょ?」
「えっ、マジ?」
「晃、余計なこと言うな!別に、相手が私のこと好きになったわけじゃないよ。なんかこう……わかんないけど、『付き合ってやってもいいか』くらいに思ってもらえただけだと思う!」
「それで、佳菜は承諾したんだな。付き合うことを」
隼の後ろで、これまた面倒臭いインテリ黒ブチメガネがそう言い放った。
うっ。学、痛いところをついてくる。
そうだ。私は『付き合って』と言われて、深く考える余裕がないままオーケーしちゃったんだ。
昨日まで、瀬戸先輩のことで泣きそうになってたくせに。