彼氏の好きなヒトになる方法


「だから、いざ好きな人に話しかけようと思っても、私なんか相手にされないんじゃないかなって思って、勇気出なかったんだよね。今考えたら、ただの言い訳なんだけどさ」



あのとき泣いた本当の理由は、『先輩に彼女ができたこと』より、『何もしなかった自分を実感した』からかもしれない。



私は、なんにも知らなかった。


先輩に好きな人がいたことも、あんなに可愛い幼馴染がいたことも。


そんな大事なことも知らないで、片想いしてる気になって。騒いで、楽しんで。噂を聞いて落ち込んで。



情けなかった。



自信がないからって行動するの躊躇って、こうやって見事に失恋してる自分が本当に情けなくて、たまらなかったんだ。




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