彼氏の好きなヒトになる方法
「……………」
俊くんは、黙って私の話を聞いてくれていた。
私の話がひと段落して、なんとなくジュースを飲む。
それから1分沈黙が続いた。いっぺんに話したから、彼の中で咀嚼するのに時間がかかるのだろう。
恒例のこの待ち時間にもそろそろ慣れてきた。
こんなに時間をかけて、私に話す内容を考えてくれてるんだって思ったら、待つのは全然苦痛じゃない。
むしろ申し訳ないくらいだ。こんな愚痴みたいな話、ものすごくどうでもいいだろう。
なんて返すべきか迷ってくれているなら、心底申し訳ない。
別に何言ってくれてもいいから、私は俊くんの素直な言葉が聞きたいよ。
「……俺は」
横から声が聞こえて、彼を見る。
やっぱりその表情は特別変化はなかったけれど、透き通るような綺麗な瞳と目が合って、心臓がちょっと跳ねた。