彼氏の好きなヒトになる方法



「ねえ君、カッコいいね〜。ここで何してんの?」

「どこの高校ー?」

「暇ならさ、ウチらと遊ぼーよ。今からカラオケ行こうって言っててさ〜」



ぎゃ、逆ナンだ……!


ギャルの得意分野だと勘違いされがちだけど、私たちのグループはしたことない。


何故なら、マナミ様を除く他2名はチキンだからである。



街で俊くんのようなイケメンを見かけても、恐れ多すぎて目の前を歩く勇気も出ないほどだ。ただ、遠目からきゃっきゃっと騒いで話のネタにはさせていただくけど。



いやそんなことは今どうでもいい。



私はもう、中学までのサルみたいな女じゃないんだ。


今日はしっかりメイクもしてきたし、『私の彼氏に何か用?』くらい言えるだろう。ていうか言え!



ギュッと拳を握りしめて、一歩踏み出そうとする。


それと同時に、俊くんのいつもより低く大きな声が聞こえてきた。




< 87 / 441 >

この作品をシェア

pagetop