彼氏の好きなヒトになる方法




「……悪いけど。あんたらに興味ないし、もうすぐ彼女来るから。どっか行って」




その言葉に、騒がしく誘い文句を口にしていたギャルたちが、一斉に静まり返った。


そして、それまでの猫なで声とは打って変わり、これまた低ーい声色で彼女たちは言った。


「……なに、彼女持ち?」

「うわ、萎える」

「早く言えよ」


こっっわ!!女こわ!!


同性のとても嫌な部分を見てしまった。これだから女ってやつは……。



女子高生たちが去っていくのをこっそりと見ながら、出ていくタイミングを図っていると、「佳菜」と呼ばれた。




「いるのわかってるよ。もう大丈夫だから、出てきたら」




バレてた! すごいな、背中に目でもついてんのか!


恐る恐る出てみると、俊くんはゆっくりとこっちを向いた。それだけでなんか胸にギュンギュンくる。




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