彼氏の好きなヒトになる方法
毎度毎度申し訳ないと思ってたくらいだ。バイトの日くらい、私が送り出したい。
……ん?送り出す……?
そう言えば私、俊くんがどこでバイトしてるのか知らないな。
「……俊くんって、どこでバイトしてるの?」
「ここから20分くらい歩いたところ。いつもはバスで行ってる」
「………へえ。そうなんだあ……」
私がキラキラした目で見ると、俊くんは少しばかり眉を寄せた。そして、10秒ほど沈黙してから、「……来る?」と言ってくれた。
「えっ!いいの!?」
「……すごい行きたいって目してるよ」
「あはは!ごめんね、だって気になるんだもん。無理強いはしないよー、行ってもいいなら行くけど」
「いいよ。面白くないと思うけど」
「俊くんのバイト先を知れるってだけで、嬉しいし楽しいし面白いよ」
ふふふと笑うと、俊くんはよくわからないという顔をして、私を見た。