本世界

魔女の家

　ーそして夜ー



　「パパ起きて！仕事だよ！私たちを連れてってよー！」



　「ん…。もう夜か。わかった…。」



　父親が仕事の準備をしだすと同時に母親が父親の耳元で話している。



　「あんた、ちゃんとやりなさいよ。」



　「わ、わかったよ…。」



　「何をこそこそ話してるんだ？」



　「なんにもないわよー。さあ、早く行っておいで。」



　(うさぎの耳ってこわいな…。こそこそ話している内容までも聞こえてくるし…。)



　「じゃあ、行ってくるよ…。」



　「行ってきます。」



　「ママ、行ってきまーす！」



　母親は笑顔で手をふり続け、3人がふりかえらなくなると、笑顔がふっと消えた。



　(こわい…。よし、3人について行かないと…。)　　グゥゥゥ



　　(ああああ。お腹がすいた…。どこかに食べ物とかないかな…。)



　　すると、前の方からいい匂いがしてきた。



　
　

　　　
　






　しばらくして森の奥深くまできたところで父親が２人の肩をつかんでいった。


　　「いいか？今から2人とも目を閉じているんだぞ？いいものをあげるからな。」