始まりの瞬間
カララン

「いらっしゃいませー!二名様ですか?」

お店に入ってすぐ席に案内された私達は、さっそくドリンクバーを頼んで飲み物を取りに行った。

「何にしようかな~ 結羽は何にする?」

「そーだなー どうしよっかな」

なんて話しながら特に意識せずにドリンクバーのボタンを押した。

「…って、あれ?!コーラ…?!」

私が無意識に押したのはコーラのボタンだった。私はコーラが苦手なのに なんで押しちゃったんだろう。

急いでボタンを離して、新しくオレンジジュースを入れ直す。

「私、炭酸の飲み物苦手なのになんでコーラ入れちゃったんだろ~」

席に戻りながら那奈ちゃんに私は言った。

「…杉崎君は炭酸が好きだから、こーやって私達とドリンクバー頼むと、いっつも結羽 杉崎君にコーラ持ってってあげてたんだよ。」

そうだったんだ…だから慣れていたのかな。

私はさっき無意識にボタンを押した。

そうすることが当たり前ってくらい自然な動きを私の腕はした。

「那奈ちゃん…」

私は席に座って 那奈ちゃんの目を見ながら

「知っている限りでいいから、私に杉崎君のこと 付き合った時のことを教えて…?」

忘れてしまった彼のことを 私は思い出したい。
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