青春方程式
手掛かり
「どうした??」
「葵、あのねお母さんに先生のこと話したの……でもお母さんがもうその先生の話をしないでって青白い顔して言ってた。お母さん絶対何か知ってるよ。」
「そうかもな。真夏のお母さんそんなに冷たい感じに接することないもんな。」
「やっぱり葵もそう思うよね」
「うん」
葵もお母さんと仲良くてよくうちに遊びに来てたな。
そこで英語教えてもらったんだっけ。
「とりあえず明日また乃愛とおとねとも一緒に話そ。放課後空いてるし。」
「うんそうだね。ありがと」
「困ったことあったらいつでも相談してこいよ?」
「うん。ありがとう!おやすみ」
葵って何だかんだ言って私のことを一番に考えてくれる。
私にとっては大切な人なんだ。
このことはまだ誰にも言ってないけど……
次の日私はいつもより早く目が覚めた。
お母さんもう会社に行ったのか……
「今日は久しぶりに早く学校行こう!」
先生のこと調べなくちゃ。
すぐに支度をして家を出た。
大通りに出た時、後ろからパタパタと走ってくる音が聞こえた。
「真夏ーっ?!今日早くない??」
「先生のこと調べたくていつもより早く起きちゃった。」
「私たち皆同じこと考えてるね。」
「オレもすごく気になってさ……」
「私も!」
皆で先生のことについて調べることになった。
学校についたらすぐに資料室に向かった。
この資料室には先生たちの個人情報が書かれた青いファイルがあるという噂だった。
さっそく探したけどそう簡単に見つかる訳がない。
「やっぱりただの噂なのかな……?」
「だよね……私やっぱり本人に聞いてみるよ。」
「分かった!」
「あの先生のことだから話通じないかもしれないけど……(笑)」
私たちは資料室を出て教室へ向かった。