名前で呼ばないで


おまけにだ。


「あのっ」


「はい??」


掃除の時間の終わりかけ。


廊下で窓拭きの終わった私のところに、見たこともない隣のクラスらしい女子数人がやってきた。


ひとりがおずおずと、気の強そうな女子を引き連れて。というか連れられて。


「矢水颯斗くんとは、お付き合いしてるんですか??」


「はっ!?」


何のことですか!?と私。


「この子が、颯斗くんに告白したいって言うんで、違うんならあんまり仲良くしないでもらえませんか」


一応、初対面なので敬語らしい。


「あ、はい…」


ぽかんとしながら。
テレビとかで見たことあるなこういうの。と。


「どこへなりと、持ってっちゃってくださいよ」



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