名前で呼ばないで
「はあ、どっかに若い白鳥先生みたいな人いないかなあ…」
ぽろっと心の声が出てしまった。
「白鳥!?ってあの白鳥!?」
「先生くらい付けなさいよ」
「ふ~ん?ああいうのんがタイプかイモコは」
「ち、違うから!!」
「あらら、赤なった。か~わい」
けれど、いつもと言い方が違う。なんとなく機嫌が悪い。珍しいこともあるもんだと。
「そ、そうね。やっぱり落ち着いた大人っていいよね」
あれ??なんだこの感じ??
「落ち着きすぎやん、オッサンやんけ」
「お…失礼ね!!せめてオジサマと言ってよね!?」
「あっ、腹痛い。保健室行ってこよ」
「な!?待ちなさい!!」
ていうか先にトイレでしょう、と思いながら、何だかよくわからないまま、矢水を追いかけて保健室に走った。