名前で呼ばないで
花子さん
「御手洗花子(ミタライハナコ)です!!よろしくお願いします!!」
1週間後。
転校生として現れた彼女は、実に堂々とその名を名乗った。
頬杖を付いていた私は、思わず顔を落とした。
「……みたらい…はなこ??」
御手洗という名字があることも知らなかったし、ましてやそこに花子と付けるかと。
しかし彼女はやたら輝き、生き生きとしていた。
ややぽっちゃりの花子さんは、クリクリのお目々で、可愛らしい顔立ち。
髪は癖毛っぽかったけれど頭のお団子は私より可愛かった。さぞ痩せたらモテるだろうなと。
が、
「花子ちゃん、どこから来たの??」
「趣味は??彼氏はいるの??って聞いちゃまずいか」
「大丈ブー」
と鼻を上げておどけて見せる。強い。
右に矢水、私を挟んで左隣の席だ。
訳がわからない。