名前で呼ばないで
悪魔の囁き??
「噂で聞いたんですが、中学の頃、色んな人にプロポーズしてたんですか??」
窓の外を眺めながら、白鳥先生。西日が強くなってカーテンを閉める。
「あっ、いやあの…」
ただ、名字を変えたかっただけの、浅はかな行為だ。
こんなところでかかなくていい恥をかくとは。
と、泣きそうになる。
やっぱり本当に好きになった人に誤解されてしまった。
今となってはどうでもいいことなのに。
と、
先生の暖かく大きな手が、ほっぺたに触れた。
え"え"え"!?
「顔が赤いようですよ??熱があるんですかね」
言って、私のおでこの髪を上げた。
「やめろや!!エロオヤジ!!」
息を切らせて矢水が飛び込んできた。
「おや?授業中のはずでは??」
静かに振り向いて、
「何か誤解してませんか?熱を測ろうとしただけですが」
微笑む白鳥先生。
「この保健室には体温計はないんかい!?」
「や、矢水……??!」
心臓が。口から飛び出すかと思った。
自分が恋する少女になっていた。やっぱり先生が好きだ。