名前で呼ばないで
ひとまず胃薬を飲んで落ち着いた私は、いつまでも寝ているわけにもいかないし、と教室に戻るために2人で廊下を歩いていた。
「邪魔しに来たの…??最悪…」
「はあ!?何寝ぼけたこと抜かしとんねん!!お前あいつに」
イタズラされそうになったかも、と言い掛けて飲み込んだ。
こんなところで騒ぐわけにもいかないし、
本人が何かされたと思わない以上、自分が何を言っても無駄だ。
「何よ!?」
舌打ちすると、
「…あいつには、気ぃつけた方がええぞ」
「あんたに関係ないじゃん!花子さんとお付き合いするんでしょう??ダイエットしてくれるって。そんな子、なかなかいないよ!?」
「ああ!!もう!!分からん奴や!!俺は!!」
「矢水く~ん」
言ってるそばから花子さんだ。
「ほら、行った行った」
嫌いなもの。
人参、ピーマン、矢水、か。