名前で呼ばないで
「で、ここに来たわけですね」
昼休み。保健室に来ていた。
もちろん白鳥先生目当てだ。
持ち込んだコーヒーメーカーでカップにコーヒーを入れる。
「お茶でよければありますが」
「あっ、大丈夫です」
「恋をしてますね」
「えっ…」
「この前の彼、矢水くん、でしたっけ」
「ち、違います!!私が好きなのは…」
「好きなのは…?」
うわっ!!またドキドキしてきた!!どうしよう!?
「……僕ですか…?」
「違います!!」
嘘を付くしかなかった。
そうです、なんて言えるわけがない。言ってどうなる。
「いつでも遊びに来ていいですよ」
にっこりと微笑んだ。