名前で呼ばないで
いた店から出て、出口に向かおうとしたとき、1人の男の人にぶつかった。
「す、すいません…」
とっさに謝ったが、
「あっれ~??可愛い姉ちゃん。俺らと遊ぼうよ」
「えっ…」
腕を掴まれてしまった。
茶髪に派手な半袖シャツを着た大学生くらいの二人組。
「いった…何するんですか!?放して…」
振りほどこうとした腕が顔に当たってしまった。
「痛いなあ、骨折れたかも」
もう一人の連れの男に後ろから抱きつかれた。
「きゃあっ!?」
自分でも不思議なほど女の子な声が出た。
ふと見ると、遠巻きに花子さんが冷めた目で見ているだけだった。
助けに来てくれないの!?
いや、本人は無理でも、誰か呼んでくれるとか。と、
「はいそこまで」
「いって!!」
抱き着いた男の腕を捻り上げる、白鳥先生がいた。
「うちの大事な生徒に、何かご用ですか??」