モアイ・ザ・ババリアンの涙
ふと見えたプリントの切れ端。

計算用紙に使ったあとみたいで、裏には何事か書いてある。

ふふっと不覚にも笑ってしまった。

「モアイです。」という吹き出しのついたその絵は、顔からじかに手足が伸びており、右手にはなぜだか鉛筆を握らされているのが面白かった。

しかし、その無表情な目、不健康そうな唇は、誰がどう見ても僕自身であり、それを見ている僕自身どうしていいのかわからない。

ただ、うなだれてベットに横になった、月曜日の朝。

学校には行かなくちゃいけないのか?

降りしきる雨の音。
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