四季のいたずら







朝練があるせつと体育館前で別れて、私は教室へ向かった。


2年生になって教室が変わると中々教室までの道に慣れない。



教室の前に誰かいる......?


まだ早いのに、うちのクラスに何か用でもあるのかな?



「あ、おーい」


「え、誰......。あ、しょう」



こっちを見たその人は、私に向かって手を振ってきた。


それがしょうだと気付いた瞬間、ドクンと心臓が高鳴ったのがわかった。



あれ、でもしょう部活は......?


女バスも朝練あるなら、男バスもあるはず。



しょうは中学校から男子バスケット部に入っていて、男子の中では低身長だけど頑張っている。



「朝練は休み?」


「外練で外周だからサボった」


「悪いヤツ」


「走るの怠いから」



淡々と進んでいく会話。


私は「ところで」と話題を変えた。



「なんでうちの教室に来たの?」


「暇だからお前に会いにきた」



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