四季のいたずら
私たちは決して家が近いわけではないから登校はだいたい別々。
それに学科も違うから別々の方が色々楽だったりする。
「ふたりとも見かけてないなー。もしかしたらもう見に行ってるのかも」
せつが顔を歪めながらクラス表の前に溜まる人混みを見る。
「うわ、やっぱり混んでるねー。しょうは人混み嫌いだからいなさそう」
「まあなつには昨日も会って勉強教えて貰ったし、しょうに至っては夜ご飯食べに家まで来たからね。会えなくてもどうってことないけど......」
ただ、やっぱり顔が見えないと落ち着かないっていうか。
何かイベントがあるときに4人揃わないとしっくりこない。
「おうも大変だね。あたしは昨日も部活」
一瞬私を見てそう言ったせつは再び視線を人混みに戻し、「見てるだけで暑い」なんてブツブツ言っている。
せつは女子バスケットボール部、通称女バスのキャプテン。いつも4番のユニフォームを着てゴールに向かって走っている。
本当に、かっこいい。