四季のいたずら


私たちは決して家が近いわけではないから登校はだいたい別々。


それに学科も違うから別々の方が色々楽だったりする。



「ふたりとも見かけてないなー。もしかしたらもう見に行ってるのかも」



せつが顔を歪めながらクラス表の前に溜まる人混みを見る。



「うわ、やっぱり混んでるねー。しょうは人混み嫌いだからいなさそう」


「まあなつには昨日も会って勉強教えて貰ったし、しょうに至っては夜ご飯食べに家まで来たからね。会えなくてもどうってことないけど......」



ただ、やっぱり顔が見えないと落ち着かないっていうか。


何かイベントがあるときに4人揃わないとしっくりこない。



「おうも大変だね。あたしは昨日も部活」



一瞬私を見てそう言ったせつは再び視線を人混みに戻し、「見てるだけで暑い」なんてブツブツ言っている。



せつは女子バスケットボール部、通称女バスのキャプテン。いつも4番のユニフォームを着てゴールに向かって走っている。


本当に、かっこいい。
< 4 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop