四季のいたずら
「......わからない」
「え?」
気まずい無言を破ったのはなつの方だった。
「なんでせつが泣いてるのか」
「そんなの......」
せつは、なつが好きだから。
なんで気づかなかったんだろう。
きっと私より恋愛も友情も不器用だから。すぐ気付けたはずなのに。
「だってあいつ、しょうのことが好きなんだろ」
「何を根拠に言ってるの......!!わかんないじゃんそんなこと......」
「私だって、そう思ってたよ」と後に付け足す。
「俺、見たんだ。中学校の卒業式のときにせつがしょうに......」
なつは言葉を詰まらせた。