四季のいたずら
「......さっきの。本当は告白するつもりなんてなかった。でも、言えて良かったって思ってる。今まで踏み出すのが怖かったけど、やってみれば案外スッキリするもんだな」
なつは......なんでそんなにいつも冷静でいられるんだろう。
なつは今、立ったことのない崖の上に立たされてるんだよ?
この崖が崩れるのかも、誰かに突き落とされるのかもわからない状態なのに。
それでも1歩進んでみたいって思って進もうとしてる。
もしかしたらその崖の下は海かもしれない。
だけど、もしかしたら意外と低い段差なのかも知れない。
「告白、失敗だとは思ってない。まぁ、せつがなんで泣いてたのとかはわからないしきっと俺らの仲は今までになく気まずくなっている。だけど、俺たちだけの物語でイベントを起こせるのは俺たちの中の誰かだけ」
「これからゆっくり解決してこ?喧嘩も青春」そう言って目を細めて笑うなつに、私は協力したいと思った。