四季のいたずら
『ごめんね、変な態度とっちゃって。それだけ謝りたかった』
「ううん。大丈夫」
『ありがと。あたしからはそれだけ』
まるで、理由は訊かないでと言っているみたいだった。
ただ気まずい関係になるのが嫌だからとりあえず謝っておく。そんな感じ。
いつもの私なら怖くてこれ以上踏み込めないけど、今日なら言える気がする。
「......理由、聞きたい」
『え?』
「泣いてた理由。心配だから」
......せつは黙り込んでしまった。
やっぱり訊かない方が良かったのかな。
ううん。訊かなきゃいけないんだ。
大丈夫。
そう自分に言い聞かせ、せつからの返事を待つ。