四季のいたずら







人もだいぶ減ったところで、私たちはクラス表を見に行った。


と言っても学科が違うから同じクラスになれるはずはなく。



「今年も音楽科2クラスある!Aクラスだから良い方だ!!」


「それ関係あるの?ただの噂の気がするけど」



A、Bの2クラスある音楽科は30人学級。


昔からの噂でAクラスは成績が優秀な人が入れるという。


噂だけどそれが嬉しくて、私は思わず頬が緩む。



「お、あたしのクラスしょう居るわ」


「えっ、同じクラス?」


「男女別番は同じ9番だし」



「おー、かおりもいるじゃん」なんて、せつはクラス表をまじまじと見ている。



「......私が、しょうと一緒が良かった」



ボソッと呟いた声は誰にも届かず、春風に吹かれて消えていった。
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