四季のいたずら


『今まで黙ってたんだけどね......』



せつは重たい口を開いて話してくれた。


電話越しでもせつの不器用さが伝わってくる。


幼なじみだからこそ、気を遣いあって上手くいかなかったこと。


近すぎる存在だからもう踏み込めなかったこと。



......今回のせつの涙が、数年前から繋がっていること。


私が見えていなかったせつのお話。
< 50 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop