四季のいたずら







「これが卒業式マジックですか」


「なんか言ったか?」


「別に。独り言」



新学期、今までのことを振り返って呟いたあたしの言葉にしょうが反応した。



まさかしょうと同じクラスになるとは。しかも男女別出席番号が一緒だから席も隣。



というか、あたしの告白が失敗したのはしょうのせいだし。


あの場所にしょうが来なければあたしはなつに想いを伝えて、今こんなにもやもやしてなかった。


だけど逆に考えれば、卒業式マジックにかかったあたしを止めてくれたのはしょうだ。



今ならなんでもできる気がする、なんて思ってた卒業式の日のあたし。


誰にでもあるはず。修学旅行に行ったときどうでも良かった異性にときめくことが。


おまけに今の自分なら告白だってできるはずって告白までしちゃうとか。
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