四季のいたずら
あたしの好きな人は、あたしの幼なじみのことが好き。
やっぱり卒業式の日になつに告白すれば良かった。
そしたら、もしかしたら何かが変わっていたかもしれない。
少なくとも、こんな辛いカタチで失恋はしてなかっただろう。
......もっと、純粋でいたかった。
関係がどうとか考えずに、素直な気持ちを伝えられるほど純粋に。
いつからあたしたちは『幼なじみ』をキープするために気を遣い始めたんだろう。
それぞれの気持ちを隠してまでこの関係を続けたかったのかな。
4人の中で1番それを嫌っていたのはあたしなのに。
ごちゃごちゃ考えてまで『幼なじみ』を続けるなんてあたしは絶対嫌だった。
......はずなのに。
恋ってこんなにも人を変えるんだ。
こんな気持ち、最初から知らなければ良かった。