四季のいたずら
春のいたずら
「ごめんおう、あたしの勝手な行動のせいでこんなことにしちゃって」
全て話し終えたせつは、もう1度「ごめん」と繰り返した。
私の知らなかったときにこんなことがあったなんて。
私は今までせつの何を見てきたんだろう。
「私の方こそ、せつの気持ちに気づかずに何もしてあげられなくてごめん」
「おうは何も悪くないよ」と乾いた笑い声が聞こえた。
「ほんと、あたしらしくなくてかっこ悪い。なつにも謝らなきゃ」
「そんなときもあるよ。せつも女の子だもん」
せつからは見えないけど、私は電話越しに微笑んだ。