四季のいたずら



「なつはあたしなんか興味なかったんだよ、最初から。おうしか見えてなかった」



ボソボソとらしくないことを呟くせつ。



「私は違うと思うよ」


「え?」


「なつはずっと、せつはしょうが好きだって思ってた」


「なんで、そんなわけ......」


「卒業式の日、なつは来なかったんじゃない、行ったけどせつに気づいてもらえなかったんだよ」



もし私の予想が当たっていたら、せつとなつは勘違いをしているはず。



なつは卒業式の日、せつからのメールに気づいて指定された時間に校舎裏に行った。


だけどそこにはせつとしょうの姿があった。


なつは様子を見るために陰からこっそりふたりを見ていた。


せつとしょうが話してたって言う状況が、なつにはせつがしょうに告白してるように見えていたのかも知れない。


それで空気を読んだなつはその場から去った。
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