シルク・コート6番街
「もっと、酒持ってこい・・」
「これ以上はだぁめ。またお前暴れるだろ」
制止されたアーサーは僅かに頬を膨らませた。
「なんだよぉ、けちひげやろー・・・」
さっきの一杯でもう大分酔っているようで、呂律が回らなくなっている。
(可愛いなぁ)
「もっと、よこせよ・・・なーあって・・」
するすると細い指先をフランシスの顎に這わせ、挑発する様に輪郭をなぞる。
くすくすと笑って、アーサーはフランシスにキスをした。
「んむ・・・さけ、のませろ・・」
とろんとした目で此方を見る眼差しに煽られ、フランシスは衝動的にアーサーの唇を奪っていた。
「んっ・・」
貪る様に深くまで舌を潜らせ、唾液を交換する。
「ふ、ん・・ふぁ」
静かな店内に響く水音がやけに卑猥に聞こえて、いっそう口付けの甘美さを助長させる。
「は・・あ、あぁ・・・!」
震える肩に指を滑らせれば、敏感になった身体には堪らないとでも言うように腰をくねらせた。



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