君と笑いあえる日まで
第三章 友達
「ねぇ、ねぇってば!」

遼の声でふと現実に戻る。

「京妃ってば、あれからずっとぼけーっとしちゃって!笑」

「あ、ごめんね?」

少しでも感じ良く笑おうとする私。

「あのね、京妃。」

いつも笑顔の遼が真剣な顔になった。

「ん?」

「私の前では、無理しなくていいよ。」

「え?無理なんてしてないよ?」

「私、わかるの。ほらね、今だってそうして無理に笑ってる。」

「……」

「私ね、小さい頃から病弱で病院暮らしだったから友達ってのが1人もいないの。だからね、京妃が友達になってくれて本当に嬉しかったの!だからね、私に遠慮なんてしなくてもいい。ありのままの京妃と友達でいたい。」

ありのまま?そんな私でいいの?ってそんな疑問だらけだった。

「遼…ごめんね、ありがとう。私ね、まだ人を信用できないの。だから、本当にごめんなさい。」

もう、嫌われちゃったかな。やっぱ私には友達なんて…って思ったその時。

「京妃。信用とかしなくてもいいよ。私はただ、京妃と友達になれただけで嬉しいから。ゆっくりと自分のペースで成長していこうよ。お互いに、ね。」

「うん…ありがとう」

今日の授業は、午前中だったからその日の学校は終わった。
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