幼なじみを私の言いなりにするには
幼なじみを私の言いなりにするには
……「幼なじみを私の言いなりにするには」
今日は、私の誕生日。
17才。
特別な1日になるかと思いきや、いつもと同じ風景。
両親は仕事で、帰宅は20時過ぎになるというし、だからケーキもそれまでお預け。
幼なじみの大輝は、私の部屋に上がり込み、ベッドに寝転んでマンガを読んでいる。
18才の男子。
意識してたら、女子のベッドに勝手に寝転がらないだろうと思う。
だから、私は大輝から意識されていない女というわけで。
それなのに、私は意識しちゃっているから、勝手にめんどくさいことになっている。
「大輝、今日、私の誕生日なんですけど……」
「ああ、おめでと」
マンガに視線を向けたままの、そっけないお祝いの言葉。
付き合っている男女なら、誕生日はこんなじゃないよね、きっと。
「それだけ?」
「ん?なんか言ったか?」
大輝は、マンガを閉じて私を見る。
「いや、別に……ごめん」
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