幼なじみを私の言いなりにするには
「大輝。起きて、私の隣に座って」

大輝は私の言うまま起き上がり、ベッドを軋ませ、すぐ隣に座った。

膝の上でグーにしていた手をパーにして、前を向いたまま、隣に座る大輝の前へと差し出した。


「大輝、手……つないで」


声が震える。自分で言っているくせに、胸が苦しくて、汗が噴き出してくる。

大輝は、私の右手をぎゅっと掴んだ。
あったかくておっきくて、サラサラした手。

つなぐのは、何年ぶりだろう。
いつのまに、こんなにでっかくなったの?
ドキドキが激しくなって、心臓が痛い。


「大輝、私を……抱きしめて」


大輝は、つないだ手をぎゅっと引き、私を胸に抱き寄せた。

初めて抱きしめられた大輝の腕の中は、熱くて甘い香りがする。

聞こえる心臓の音が少し早いのは、私と同じ……。

もっと近くに行きたい。


なぜだか、今なら言える気がする。
かなり積極的な自分に戸惑いつつも、大輝に言った。


「もっと……強く……」


大輝は、腕に力を込めて私を抱きしめる。

バカ力。
これじゃ、息、できないよ。

隙間ないほど大輝に触れて、燃えているみたいに身体が熱い。

指先がビリビリ痺れて、のどが渇く。


催眠をかけているのは私の方なのに、気持ちのコントロールがきかない。

言葉が溢れてくる。


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