幼なじみを私の言いなりにするには

「俺がね、香穂に催眠術をかけてた。ああなるように仕向けた。
香穂の部屋にあった本を、お前がいないときに読んで覚えて、俺がお前にかけたんだ」


私に催眠術?それって、いったいどういうこと?


「……香穂が俺に催眠をかけて、お前から俺に迫ってきて、キスするように仕向けた……」

「なにそれ……そんなことする意味がわかんない」


「だよな……最低だろ?謝るのは俺の方だよ……ごめんな、香穂。
俺、お前がずっと好きだった……けど、そんなこと言ったら軽蔑されると思って、どうしたらいいのか悩んでたら、お前の部屋で催眠術の本を見つけてさ……もし付き合ってたら、今日の誕生日をあんなふうに祝いたかったから……でもそんなことできねーし……だから、うそでもいいから、今日だけは……ごめん……軽蔑したよな?」


そっか……大輝の催眠にかかっていたから、自分でコントロールできなかったんだ。

……なんなのよ。

それじゃあ結局、催眠術も大輝の方が上だったってことじゃない……。


「なにそれ……バカじゃない……そんなことしなくても……私だって、私だって、ずっと大輝が好きなんだから!」


「香穂……。」


< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop