背伸びして、キス
「バーカ」
ケラケラと笑い声を上げ笑うと、男の人は私の手にハンカチを押し付けた。
私は慌てて残っていたアイスを食べる。
「じゃあな」
「え、あ、あの!」
「それは、まー、やるよ」
ひらひらと手を振りながら煙草を灰皿に捨てて去っていく背中。
残されたハンカチを手にその背を見送る。
名前も聞けなかった。
誰だったんだろう。
ここら辺の人なのかな。
背が高くて口の悪い変な人。
また、会えるかな。