背伸びして、キス
「・・・誰だよ」
武くんは私の側にいる一条さんを怪訝な顔で睨みつけた。
勘違いされてる?
「武くん、あの、この人は違うの」
「なにが違うんだよ。女子高生ナンパしてんなよ、おっさん」
やっぱり勘違いしてる!
ていうか、武くんこの間一回あってるのに覚えてないんだ。
一条さんの事あまり気にしてない感じだったもんね。
でも、どうしよう。
「あの、違うから!本当に。ごめんね、心配してきてくれたんだよね。すぐ戻るから」
「・・・本当か?」
「うん。あの、この人も心配してくれてただけ。ほら、涼子ちゃん待ってるから戻ろう」
半信半疑の武くんを宥めながら背中を押す。
せっかく会えたけど、仕方ないよね。