背伸びして、キス


「言ったじゃないですか。すぐに私の事全力で好きになってほしいなんて言いませんよ。私の方が好きになったんです。私が頑張って、完全に振り向かせてみせます!」

「足立・・・」




完全にフラれると思っていたんだもん。
それがちゃんと見てもらえるってわかって。

付き合ってくれるって言ってもらえて。



そんなの、十分すぎるくらいの幸せだ。




「それくらいの気合はありますよ!私、若いですから!」

「ありがとう・・・」




えっへんと胸を張った私をおかしそうに笑いながら見つめる。
一条さんといれば、私も変わっていける。

こんなにも、はっきりと思いが伝えられる。
そんな私、知らなかったよ。



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