背伸びして、キス
「そんなの、会った場所に通うしかないんじゃない?」
「会った場所・・・か」
涼子ちゃんにそれとなしに相談してみたら返ってきた返答。
確かに、それしかないんだよね。
「スーツってことは仕事帰りってことでしょ?わざわざ遠くのコンビニにはいかないだろうし。通勤路だったり家の近くだったりするんじゃないの?」
「うん、そうだよね・・・」
「てか。あげるって言われたなら、いらないんだろうし。捨てればいいのに」
「そ、そんなことできないよ」
捨てるなんて。
多分、あの人だって。
別にあげたくてあげるって言ったわけじゃないと思うし。
私が、知らない人でもう会う事もないと思ったから。
「じゃあ、通うしかないんじゃない?」
確かに、どう考えたってそれしか答えはない。