背伸びして、キス

わかっていた距離



――だったら、ちゃんと捕まえとけよ




――フラフラしないで、俺だけ見てろって言ってんの




海での初デートは、幸せの気分のまま終わった。
私、自惚れていいのかな。

一条さんに、好かれてるって思ってもいいのかな。



「よかったじゃん」

「うん。幸せすぎて、夢見てるみたい」




うっとりと目を蕩けさせながらそう言う。
涼子ちゃんとファーストフード店でご飯を食べながら報告をする。

涼子ちゃんは驚いた顔をして、おめでとうって言ってくれた。



「でも、相手社会人でしょ?」

「うん。28歳」

「ためと付き合うのとはまた違うだろうね」



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