背伸びして、キス


タメとも付き合ったことない私にはよくわからないけど、やっぱ学生と社会人っていろいろと難しいのかな。


「まぁ、一華が好きで一緒にいたいって思うなら、一番いいんじゃない?」

「うん!私ね、初めてなの。こんな風に人を好きになるの。好きな人に好きっていうのも、自分の想いを伝えられるのも」



こんな自分がいるなんて知らなかった。
そう続けて言うと、涼子ちゃんは嬉しそうに笑った。



「私も、驚いてる。一華、そんな風に想いを通すことって普段ないから」

「・・・そうだよね」

「学校で見る一華は、いつも殻をかぶって、言いたいことをため込んでるように見えたから。そんな風に言える子だって知らなかったよ」

「涼子ちゃん・・・」

「だから、私も嬉しい」




まるで自分の事のように喜んでくれる涼子ちゃんに、私は感謝してもしきれない。
涼子ちゃんがいてくれて、私はどれだけ救われているか。



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