背伸びして、キス
私にできること
「はぁー・・・」
結局準備も手伝わせてもらえずに、待ち惚け。
一条さんも準備の方で忙しそうでほったらかし。
「なにしに来たんだろ、私」
一条さんの彼女としてしっかりしなきゃ!
そう意気込んできたのに、彼女としてすら認識してもらえなかった。
「おねぇたん!なにしてんの?」
「え・・・?」
ヒョイッと顔を覗かせたくりくりっとした瞳。
なに、この可愛い生き物は。
子ども・・・?
「わ、君お名前は?」
「いしいあさひです」
「あさひちゃん、よろしく。私はね、一華だよ」
「いちか?」
「うん。お姉ちゃんでいいよ。君のお母さんたちは?」
「あそこ!」
指差した先は一条さんの職場の人たちの方向。
会社の人の子どもなんだ。
可愛い女の子。
3歳くらいかな?