背伸びして、キス


穴が通じる感覚。
そして、一条さんと指が触れあう。


「繋がった!つなが・・・っ!」




通じた穴の中で伸びてきた一条さんの指が私の指を絡め取る。
ギュッと握られた指先に、胸がドクンと鳴った。



「よし、順番に覗いてみな。向こう側が見えるぞ」



ハッとした時には一条さんの手は離れ、一条さんの明るい声が聞こえた。
トクントクンといまだにうるさい胸の音に手を見つめた。




「おねえたんどうしたの?おかおまっか!」

「え、あ、ううん。なんでもない!トンネルが通じたのが嬉しかったのかな」



感情が高ぶって。
何に悩んでたのかさえ吹き飛んでしまった。



好きです。



大好き。





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